SDGsの基礎知識~まずは基本を抑えよう!

SDGsの基本

はじめに

「SDGsという言葉を聞いたことがありますか?」

おそらく、ほとんどの方が「はい」と答えるでしょう。
学校の授業にも登場し、ニュースなどでも頻繁に目にするようになったSDGs。
言葉自体を聞いたことがないという人はまれだと思います。


それでは、「SDGsについて、100文字程度で説明してください。」と言われたらどうでしょう?

知っているつもりでも、いざ言葉で説明しようと思うと、そもそもの定義や詳細について、しっかり理解できていないことに気が付くのではないでしょうか。

この記事では、SDGsの基礎知識について解説し、そもそもSDGsとは何なのかについて、わかりやすく説明します。SDGsについては今後、ビジネスや一般社会の細部にどんどんその考え方や浸透しはじめ、理念に沿った行動をすることが求められるようになってきます。SDGsについて一人一人が考え行動できるよう、まずは基本を抑えましょう。

SDGsの基礎知識

まず最初に、SDGsとは一体何なのか、概要を説明します。

SDGsとは

外務省のSDGsに関するプラットフォームページによると、SDGsとは『2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標』。

「持続可能な開発」って何?という疑問がわきますが、国連広報センターによると、持続可能な開発とは「将来の世代がそのニーズを満たせる能力を損なうことなしに、現在のニーズを満たす開発」と定義されています。

少しわかりづらいですね。つまり、このままみんなが何も対策せずに過ごしていると、世界全体が今のような生活ができなくなってしまう可能性があるため、私たち人類がこの地球で暮らし続けていけるように、さまざまなジャンルについて、2030年までに次のことを実現しよう!と目標を掲げた、ということです。

その目標、「Sustainable Development Goals」を略した言葉が「SGDs」なのです。

SDGsで掲げたゴールの概要

それでは一体、SDGsではどのような目標を掲げているのでしょうか?

持続可能な世界を実現するために、取り組むべきことは多岐に渡ります。そのため、SDGsの目標も一つではありません。SDGsは17の目標と169のターゲットからなります。

17のゴールの内容は、以下になります。

1 貧困をなくそう
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8 働きがいも経済成長も
9 産業と技術革新の基盤を作ろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
16 平和と公正をすべての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう

参考)朝日新聞「次世代によるSDGs 169ターゲット」

 
 

人権や環境、経済など、あらゆる分野が関係していることがわかるのではないでしょうか。

さらに、17の目標には、それぞれ「ターゲット」が設定されています。

例えば、1つめの「貧困をなくそう」という目標に関するターゲットは、1.01「1日150円以下で生活する人をゼロにしよう」、1.02「どこの、どんな貧困も、半分に減らそう」など。ターゲットにはそれぞれ番号がふられ、目標に対する具体的な課題と達成の指標を示しています。このターゲットは、全部で169あります。

さらに、あまり知られていませんが、それぞれの目標にはターゲットのほかに、1.a「開発途上国の貧困に、十分な知恵や人材のサポートを」など、アルファベットで掲げられているものもあります。この、アルファベットで記載されている部分は、課題を解決し目標を達成するための手段などについて示されています。

2030年に向けた、現在の達成状況は?

それでは、2030年に向け、現在それぞれの目標はどの程度達成しているのでしょうか。

国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」(SDSN)では、毎年、世界各国のSDGsの達成状況をレポートとして発表しています。その中身から、具体的な達成状況をみてみましょう。

SDGsと緑背景

日本の達成度、ランキングは?

2023年6月にSDSNが公表した「Sustainable Development Report」(持続可能な開発報告書)によると、日本の達成状況は166カ国のうち21位。2022年よりも2つ順位を下げました。ちなみにトップはフィンランドで、2位がスウェーデン、3位がデンマークです。北欧諸国がトップ3を占める結果となりました。

日本が17のゴールそれぞれ、どのぐらい達成できているかは、以下のようになっています。

Sustainable Development Report 2023から見た、日本のSDGs達成状況
引用:「Sustainable Development Report 2023」

緑が「SDG achievement」、黄色が「Challenges remain」、オレンジが「Significant challenges remain」、赤が「Major challenges remain」となっています。

4番目の「質の高い教育をみんなに」、9番目の「産業と技術革新の基盤をつくろう」が緑で達成していると評価された一方で、5番目の「ジェンダー平等を実現しよう」、12番目の「つくる責任、つかう責任」、13番目の「気候変動に具体的な対策を」、14番目の「海の豊かさを守ろう」、15番目の「陸の豊かさも守ろう」の5つについて深刻な課題が残っていると判断されました。

ジェンダー問題や気候変動問題などに関し、日本は世界に比べて遅れているという話題を時折目にしますが、SDGsのレポートでも低評価を受けています。

SDGsの目標が達成できなかったからといって、特に罰則があるものではありません。しかし、世界の国々が残る課題を放置してしまうと、未来の子どもたちに、大きな負債を残してしまうことになります。

持続可能な世界の実現のために、日本含め世界各国が、より一層、それぞれの目標達成に向け取り組むことが必要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。この記事では、SDGsの基礎知識やそれぞれの目標の現在の達成状況などについて、解説しました。頻繁に見聞きするようになったSDGsですが、改めて振り返ると、わかっているつもりになっていたけれど詳細は知らなかった、という方も多いのではないでしょうか。

SDGsに掲げられたそれぞれの目標達成のためには、私たち一人一人が何が必要かを考え、日々の行動に反映することが大切です。まずは基本を抑えて、ゴール達成に向けて、みんなですすんでいきましょう。

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